関節リウマチの病気

よく耳にする「リウマチ」というのは、関節リウマチのことです。また、「リウマチ熱」は、別の病気です。リウマチ熱は、特に、関節と心臓に起こる炎症です。連鎖球菌による、喉の感染症の合併症として起こりますが、感染症ではありません。感染症に対する炎症反応と考えれば間違いはありません。

 

リウマチ熱は、5〜15才の子どもに多い病気で、男女差はありません。連鎖球菌感染による喉の炎症が治まった、52〜3週間後に症状が始まります。はじめによく見られる症状が、関節痛と発熱です。1つ、または、複数の関節が、突然、痛み出し、触れると痛みがあります。1つの関節の痛みが治ると、他の関節が痛み出します。

 

関節痛は、軽度から重症まであり、普通は、2〜4週間続きます。しかし、関節リウマチのように、変形にまで進むということは、ほとんどありません。この他に、皮膚の紅斑、皮下結節、舞踏病と呼ばれる手足が自然に動く症状などが生じる場合があります。また、心臓の炎症により生じる胸痛や動悸(どうき)も見られます。心臓の炎症は、約半数に合併します。

 

治療は、感染症に対する抗生物質類の治療が基本となります。心臓や関節の炎症には、抗炎症薬、鎮痛剤が使用されます。過去に、リウマチ熱にかかったことのある子どもは、再び、喉の連鎖球菌感染にかかると、リウマチ熱にかかる可能性があります。そのため、慢性の場合には、長期間にわたって、抗生物質を投与する必要があります。

 

リウマチ熱を予防する方法としては、連鎖球菌による喉の感染症を、抗生物質によって、迅速かつ完全に治療することが有効です。

人の体は、何億という、小さな細胞から成り立っています。この細胞が、ばらばらにならないように、つなげる役割を果たしているのが、「膠(にかわ)」、つまり、コラーゲンというたんぱく質の一種です。膠は、皮膚、筋肉、骨、軟骨、靭帯と、ほぼ全身にあるものです。そして、全身の皮膚、筋肉、関節、血管などが侵される病気を、総称して、膠原病(膠に原因がある病)と呼ぶようになりました。

 

膠原病には、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、多発動脈炎、リウマチ熱、、シェーグレン症候群、混合性結合織病などがあります。膠原病に共通して見られるのは、原因不明の発熱、湿疹、関節の痛みなどの症状です。これらの症状が見られたときは、まず、膠原病に特徴的な徴候があるかどうか、全身の診察を受ける必要があります。

 

膠原病の特徴的な徴候とは、脱毛、口内炎、眼や口の中の渇き、手指のしびれ、爪の変形、また、冷たい水につけると手足の先が白く変化し、しびれが見られるなどです。全身の診察で、膠原病が疑われると、血液検査、レントゲン検査、尿検査などが行われ、確定診断がなされることになります。

 

治療は、全般的に、副腎皮質ステロイドホルモンによるステロイド治療が行われます。また、その他に、関節リウマチに対する抗リウマチ薬や免疫抑制剤のように、膠原病の種類によって、特徴的な治療法もあります。それぞれの種類の膠原病に劇的に効果の見られる薬もありますが、副作用もあるため、使用法が難しく、専門医の指導が必要となります。

お子さんから、「骨が痛い」と訴えられたとき、「うちの子は、小児リウマチではないかしら」と心配されるお母さんがいらっしゃいます。その痛みが、なかなかわかってあげられないだけに、子どもの病気や怪我は、親にとって、とても大きな心配ごとだと思います。

 

まず、痛がっている部分はどこでしょうか。膝が夜間に痛む場合は、「成長痛」であることも多いです。成長痛とは、骨が、まだ成長の途中で、しっかりと固まっておらず、飛び跳ねたりすることで、膝が刺激を受けて、痛みが生じるというものです。「小児リウマチ」である場合、常に痛みが生じており、痛む部分は、膝に限定されず、手や足など、全身の関節に、複数出るということが多いです。

 

小児リウマチ疾患のうち、最も多いのが、「若年性関節リウマチ」です。16歳までの子どもがかかる関節リウマチを、「若年性関節リウマチ」といい、大人の関節リウマチとは区別されています。「若年性関節リウマチ」は、その症状と経過によって、「全身型」、「多関節炎型」、「少関節炎型」の3つに分類されています。

 

若年性関節リウマチにおいて、特徴的なのは、大人の関節リウマチに比べて、朝のこわばりが著しいということです。まだ、言葉でうまく症状が伝えられない幼児の場合、目覚めが不機嫌で、床から起きようとしないということもあります。これは首、手、足のこわばりが原因ですが、これは、昼ごろになるととれてきます。

 

また、発熱もみられます。38度以上の高熱が出ることも多く、上がったり下がったりを繰り返します。また、発熱と同時に、胸、手、大腿部、背中、顔などに、発疹が現れることもあります。高熱と発疹は、「全身型」によくみられる症状です。

 

若年性関節リウマチは、あらゆる症状を生じることがあるため、大人の関節リウマチとは区別されています。患者が小児である場合は、以下の点について、大人の関節リウマチとは異なります。

 

●小児に使用できる薬が限られているため、リウマチの活動性を抑えるのが困難になります。

 

●若年性関節リウマチは、全身性の炎症のため、様々な成長障害が起こります。身長について言えば、リウマチの活動性が続いている期間が長いほど、標準と比べて身長が低くなっています。特に、ステロイドには、身長の伸びを抑える作用があるため、ステロイドを使用すると、低身長の傾向が著しくなります。また、関節運動が行ないづらく、骨の成長に障害を及ぼすことがあります。 このように、小児は、成長の過程にあるため、慢性の病気が起こると、成長に障害がおこる可能性があります。

 

●小児期では、痛みを伴うリハビリテーションなどには協力してもらえず、運動療法が難しくなります。遊びの中に組み込んで、楽しくできる工夫が必要になります。

 

この他に、学校生活との両立や、進学・就職といった問題にも向き合っていかなくてはなりません。長い目で見た、治療プログラムに沿た生活設計が必要となります。病気があっても、自分なりに納得して、人生を前向きに生きられるよう、周囲がサポートしていくことが大事です。同じ病気の子どもを持つ親の方々の会(「あすなろ会」があります)に参加して、情報交換するのも、子どもを支える上での、励みになるのではないかと思います。

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