関節リウマチの治療

慢性関節リウマチの治療方法は、基礎療法、薬物療法、リハビリテーション療法、手術療法と、大きく4つに分類することができます。4つの治療法の中で、土台となるのが、基礎療法です。基礎療法とは、患者さん自身が、毎日の生活を、どのようにおくるべきかという、基本的な療法です。

 

まず、自分の病気を正しく認識しましょう。慢性関節リウマチとは、一人ひとりの症状も、病気の進行状況も、大きく異なります。ます、自分のリウマチの症状をよく認識して、どのような生活を心がければ良いのかを、理解することが大切です。また、リウマチには、「だるい」「疲れやすい」などの、全身症状があることを、周囲の人々にも理解してもらうことも重要です。

 

次に、適度な運動と安静が必要です。慢性関節リウマチの場合、関節が痛いからといって、まったく動かずにいると、関節が固まってしまい、かえって、日常生活に支障が出てきてしまいます。そのため、適度な運動を毎日することが、大切になります。ただし、関節に腫れがあるときや、発熱などの症状があるときは、安静にしておかなければなりません。運動と安静のバランスを考え、お医者さんや理学療法士と相談しながら行なっていきましょう。

 

次に、バランスの良い食生活を心がけましょう。慢性関節リウマチだからという理由で、食べていけないものはありません。しかし、肥満は、下肢の負担になります。過食は避け、標準体重を守ることが大切です。

 

次に、冷えや湿度にも常に注意を払いましょう。体が冷えたり、湿度が高くなったりすると、リウマチを悪化させてしまうことがあります。入浴は、体を温め、血液の循環を良くし、関節の痛みも軽減させます。しかし、入浴後には、体を冷やさないよう、水気を残さず、しっかりと全身を拭くことも忘れないようにしましょう。

鍼灸治療といえば、肩こり、腰痛などが、容易にイメージできるのではないでしょうか。実際に、肩こり、腰痛に加えて、膝の痛み、股関節の痛み、寝違い、ぎっくり腰、全身疲労などで鍼灸治療を受けるという人が、多いようです。

 

中には、しつこい頭痛、胃の不調、眼の疲れを訴えて通うという人や、生活の質(QOL)の向上のために通う、リウマチ患者さんも多いようです。いるそうです。産婦人科によっては、逆子治療にも、鍼灸治療を取り入れているところもあるそうです。鍼灸は、ずいぶん応用範囲が広いものであると言えそうです。

 

鍼灸治療を行なうと、その部分に集まってきた血液が、積極的に患部を治しにかかります。それと同時に、脳からは、痛みを抑制する物質が出るようになることで、痛みがやわらいでくる効果が期待できるそうです。関節リウマチなどの痛みで、緊張した患者さんは、次第に、緊張が緩んで、リラックスしてきます。副交感神経が優位になってくるというわけです。副交感神経は、心臓、消化器官、血液循環などが潤滑に機能するよう働きかけるものです。

 

つまり、鍼灸によって、病気の原因を根絶したり、痛みなどの症状を抑えられるというわけではありません。鍼灸は、患者さんが持っている 「自然治癒力」を引き出すための、ひとつの方法と言えそうです。専門医が、責任を持って行なうことは、それなりに効果があるとは思います。しかし、何がどういった部分に、どのように効くのか、自分で正しく理解して、判断する目を養うということも大切です。

 

ちなみに、鍼灸と聞くと、「痛い、熱い」というイメージがあるかもしれません。しかし、鍼は髪の毛のように細いので、チクッとした痛みさえ感じない場合が多く、お灸も、現在は、火傷するほど熱くはなく、それでも充分な効果が得られるそうです。

関節リウマチのリハビリ方法のひとつに、装具療法という治療法があります。装具には、様々な効果が期待できます。たとえば、関節の安静を保ち、炎症を鎮める効果、関節の変形の進行を予防する効果、関節にかかる負担を軽減する効果などです。つまり、装具を装着すること自体が、治療となるというわけです。

 

関節リウマチの関節変形は、個人差が大きいため、画一的な装具で、患者さん全体に対処するのは困難です。そこで、装具は、強固な固定や過度の変形矯正は行なわないこと、患者さんが自分ひとりで装着が可能なこと、軽量であること、装着感が良いことなどの点に、留意しながら作られています。

 

しかし、外見上の問題から、せっかくの装具を、取り外してしまうという人もいるようです。そのため、関節に負担をかけてしまうと、炎症と変形を進めてしまうことにもなりかねません。ですから、治療を第一に考えるなら、お医者さんがすすめる通り、積極的に装着したいものです。

 

装具は、最近では、軽量化や小型化も進んでいます。患者さんが使い易いように、かなり改良されてきています。例えば、膝関節用の装具や手関節の保護具では、伸縮性のある補正下着用の生地が使用されています。また、面ファスナーで、着脱し易く作ってあります。そういった、支持性を高めるための工夫や、通気性なども考えられています。

 

また、治療のための装具とは異なりますが、日常生活の動作を助けるために工夫された、自助具というものもあります。この他、電動歯ブラシや、上下するだけの水道のコックなど、関節への負担を軽減できる様々なグッズも多く市販されていますので、上手に活用してもらいたいと思います。

人間の体は、動かさないところから弱っていくものです。特に、関節、筋肉、骨などは、毎日動かされることによって、それぞれの機能や新陳代謝が正常に維持され、強化されている場所です。関節リウマチの患者さんも、体を動かさずにいると、関節の働きがますます低くなってしまいます。体を動かすために必要な筋肉も減り、骨も弱くなっていきます。動かないままでいると、やがて、手足の関節や筋肉が固まり、動けなくなってしまいます。そういったことを防ぐために、関節の機能を維持する運動や、筋力を維持する運動を、日々心がけることが重要なのです。

 

運動療法のポイントは、関節を大きく動かし、痛みを感じるくらい、力を入れることです。これは、関節の動く範囲を狭めないための運動です。また、反動はつけずに、ゆっくりと行なうようにしてください。筋力の強化のため、曲げ伸ばしの最後の動作で、3〜5秒間しっかり力を入れます。運動と運動の間には、深呼吸をして、リラックスしてから、次の運動に入るようにします。

 

自分の病状に合わせて行なうということを忘れず、翌日に疲れを残さない程度に行なうことが大切です。最初は、関節の痛みのために、ひとりでは十分に動かせないかもしれません。理学療法士などの専門家に、関節を痛めずに動かせる方法を指導してもらうとよいでしょう。

 

家事や仕事の合間に、手指、足、肩、膝など、全身の関節を動かすように組みたてられたリウマチ体操を、日常的に行なう習慣をつけると良いでしょう。一度に全ての体操ができなくても、手指の運動、膝や足の運動など、機会を見つけて、生活の中に取り入れて、毎日続けることが大切です。

季節が秋から冬へと向かい、肌寒くなってくると、温泉に行きたくなるものです。露天風呂につかりながら、季節の移ろいを感じるのは、日常の嫌なことを忘れて、心も体も癒されるひと時だと思います。体の調子を整えるために行く人や、心のリフレッシュのために行く人など、温泉へ向かう目的は、人それぞれでしょう。

 

ところで、温泉の効能として、「関節痛」、「リウマチ」、その他にも、様々な症状がPRされているのを、見たことはありませんか。それでは、温泉には、具体的に、どのような効果があるのでしょうか。関節リウマチに対する効果としては、以下の項目があります。

 

 

●温熱作用により、鎮痛効果が期待できる
●水中での浮力の働きにより、下肢にかかる体重が減少し、下肢の関節への負担と痛みが軽減される
●水の抵抗を利用した筋力増強
●泉質により、血管が拡張され、血流改善や代謝改善が期待できる→痛みの軽減につながる
●温度、圧力、浸透圧、成分などの総合的な刺激により、自律神経の調整が行なわれる

 

 

ただし、効果を挙げるためには、患者さん本人の体調(適応、禁忌)、泉質、温度、入水時間、入浴時間帯など、あらゆる条件が必要です。お医者さんとよく相談するようにしてください。以上のような効果から、温泉療法は、リハビリテーションの一つとして行なわれています。これは、薬物療法や手術療法と同様に、リウマチ自体を完全に治せるものではありませんが、重要な対症療法の一つなのです。関節リウマチの治療のためには、土台となる基礎的療法と、薬物療法、手術療法、そして、リハビリテーションが、バランスよく行なわれることが重要です。

関節リウマチは、一般的に、薬物療法やリハビリでは、病気の改善が難しいとされています。そのため、手術をすれば、生活の質(QOL)を向上できる可能性が高い場合に、手術療法が検討されます。

 

関節リウマチに対する手術療法としては、関節破壊が起こる前に、炎症部分を取り除く手術と、破壊された関節に対する手術の、大きく2つに分けることができます。前者の場合は、炎症を起こしている滑膜を切除して、病気の進行を抑える目的で行なわれる「滑膜切除術」です。この手術は、主に、手の指、手首、肘、肩などの関節に行なわれます。

 

後者には、破壊された関節を固定する「関節固定術」と、人工的に関節を作り直す「人工関節置換術」があります。特に、人工関節置換術は、関節リウマチの手術では、最も多く行なわれているものです。

 

人工関節置換術は、破壊された関節部分の骨を切り取り、代わりに、人工関節を固定して、関節が動きやすいようにすることが目的の手術です。関節の部位では、膝が最も多く、次いで、股関節、手指、肘、足首、肩、の順になります。

 

この手術では、早くから痛みがとれ、歩きやすくなるなど、関節機能の改善と日常生活動作の回復において、効果的とされています。しかし、片方のみ膝関節に手術をした場合は、もう片方の膝関節に体重がかかることから、負担が増して、症状を悪化させ、そちらも手術が必要になるというケースが多いことが問題点とていあげられます。

 

長く闘病生活を続ける患者さんにとって、また、進学や就職を目指す若い患者さんにとって、手術療法は、素晴らしい選択肢です。しかし、あくまで、局所療法であること、1回の手術では済まないことが多いこと、術後に、リハビリに費やす時間が必要なことなどについても認識して、事前によく検討する必要があります。

関節リウマチの治療において、患者さんから強く求められることは、まず、痛みを取り除くということです。そして、関節組織の破壊を、なんとかくい止めるということではないでしょうか。これらを目標とする治療は、非ステロイド性抗炎症薬や、抗リウマチ薬がその中心です。薬によっては、長期にわたって投与した場合の副作用は無視できないことです。

 

そんな中、レーザー治療は、全身性の副作用がなく(少しだるさを覚える程度)、リウマチの進行を抑制したり、腫れ、こわばり、痛みを軽減する、有効な治療法として、最近、大きな注目を集めています。

 

関節リウマチ治療に用いられる低出力レーザーは、皮膚に障害を与えない出力以下に、エネルギーが押さえられています。ただし、眼に直接照射すると、網膜に損傷を与える危険性がありますので、注意が必要です。レーザー治療による鎮痛作用は、よく知られています。レーザー治療後に、関節の痛みが軽減されたという報告は、よく聞かれます。

 

次に、期待される効果として、既に破壊が進んでしまった関節に対する、関節機能の改善、および、機能を維持する効果があります。これは、薬物療法には期待しにくい効果です。

 

このように、有効な治療法として期待されるレーザー治療ですが、レーザー療法のみで関節リウマチの炎症が、完全に抑制できるというわけではありません。薬物療法によって、免疫異常を改善できれば、関節の変形を、かなり防げることもわかっています。薬物療法、レーザー療法、それぞれの利点を組み合わせて、慢性関節リウマチの症状をコントロールしていく必要があります。

関節リウマチとは、全身の関節に炎症が起き、関節の骨が破壊され、やがて変形し、日常生活に支障をきたすという病気です。関節リウマチは、患った人にしかわからない、つらい痛みに苦しめられる病気ですが、最近、この病気のための、画期的な薬が開発されています。

 

しかし、そういった薬も、使用しているうちに、徐々に効果が減弱してきたり、副作用の影響が出て、薬が使えなくなったりする人もいます。その場合に有効であると考えられているのが、白血球除去療法です。白血球除去療法は、実際に、どれくらいの効果があるのでしょうか。

 

白血球は、本来、異物を排除する働きを持っているものです。しかし、何らかの理由で、自分の関節の滑膜を攻撃し、炎症を起こしてしまうのが関節リウマチです。白血球除去療法とは、この病気の進行に影響を及ぼす白血球を取り除き、病状を改善させるというものです。

 

これは、透析のように、血液を一方の腕の静脈からいったん体外に取り出し、フイルターで白血球を取り除いた後、もう一方の腕の静脈に戻すという治療です。この治療を受けるまでは、生物学的製剤が使用できなかった人でも、白血球除去療法によって、入れ替わった血液のおかげで、生物学的製剤が使えるようになるということもあります。

 

しかし、白血球は、常にからだの中で作られているため、目立った副作用がないという利点がある反面、効果の持続が短く、効果がもって3ヶ月ほどとも言われています。白血球除去療法は、一時的には、有効と考えられます。しかし、効果の持続性が認められない、または、費用が高額(1回の治療で約15万円)などの理由から、この治療法が普及すると考えるのは、まだ難しいかもしれません。

関節リウマチの治療法としては、薬物療法、基礎療法、リハビリ、手術療法などがあげられます。そして、治療の中心となる薬物療法とほぼ同時に、リハビリも行なわれます。リハビリは、症状の改善、および、生活の不自由さの改善、つまり、QOL(生活の質)の向上を目的としているものです。

 

リハビリの内容には、「理学療法」、「運動療法」、「作業療法」、「装具療法」の4種類があります。このうち、関節リウマチの痛み、腫れ、こわばりをやわらげる方法は、理学療法に含まれます。主に、温熱、赤外線、超音波、水や氷などの刺激を利用して炎症を抑え、痛みをやわらげるという方法です。

 

炎症で、関節が腫れて痛みも激しい急性期には、症状が出ている関節を、サポーターや装具で固定し、安静にしていると腫れや痛みもしだいに治まってきます。このときには、ぬるめの入浴や手足の部分浴などで関節を温めると、関節の周りの血流がよくなり、痛みやこわばりが軽くなるという効果が得られます。

 

このような温熱療法は、専門機関で行なわれる赤外線や超音波療法、レーザー療法などの電気療法の他に、家庭でも簡単に自分で行なえるものもあります。具体的には、入浴、部分浴、ホットパック、蒸しタオル、また温泉療法、温水プールを利用する方法などです。朝のこわばりが全身に感じられるときには、入浴が効果的であると、毎日、朝風呂に入るという患者さんもいます。

 

しかし、腫れて熱を持っている関節は、冷やした方が良いというケースもあります。その場合は、痛みのある関節だけを、氷や冷湿布で冷やすようにしましょう。温めるか冷やすかは、ケースバイケースで行なっていきます。

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