関節リウマチでは、炎症を起こした関節は肥大してしまいます。軟部組織が腫れてしまうためです。このことによって関節は急速に変形してしまいます。このため関節は1つの位置に固まってしまいます。そして十分に曲げたり伸ばしたりすることができなくなってしまいます。手の指が正常な位置よりも小指側に傾いたり、指の腱(けん)はその位置から滑り出してしまいます。
腫れ上がった手首に神経が圧迫されてしまうと、手根管症候群によるしびれやチクチク感が生じることがあります。炎症を起こてしまった膝の裏に嚢胞ができてしまい、これが破れると膝から下に疼痛や腫れが生じてしまいます。関節リウマチの30%は、皮下に硬い隆起(リウマトイド結節)が認められるそうです。
これは普通外部からの圧迫が加わりやすい部位にできてしまいます。例えば前腕の裏側の肘関節付近などです。また、関節リウマチはまれに血管の炎症の原因になってしまうことがあります。これによって組織への血液供給が減少してしまい、神経の損傷や脚のびらん(潰瘍)を引き起こしてしまいます。肺を覆っている膜の炎症(胸膜炎)や心臓を取り囲んでいる膜の炎症(心膜炎)、または肺の炎症や瘢痕によって胸痛や呼吸困難がおこることがあります。一部の人ではリンパ節の腫れや眼や口の渇きを伴うシェーグレン症候群や炎症による眼の発赤や痛みなども呈してしまいます。
リウマチについてご紹介します。ほとんどの人が、「リウマチ」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、「お年寄りがかかる神経痛のことかな」というように考える人も多いようで、リウマチという病気は、正しく理解されていないというのが現状です。たしかに、これまで、全身の関節や関節周りの骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気の全ては原因が明らかになっておりませんでした。そのため漠然と、「リウマチ」と呼ばれてきたということがあります。
「リウマチ」は、正しくは、「リウマチ性疾患」という病気で、リウマチ性疾患には、「関節リウマチ」をはじめとして「全身性エリテマトーデス」、「変形性関節症」、「痛風」などのたくさんの病気が含まれています。これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるといった共通の症状はありますが、その病気によって、痛みを起こす原因は色々とあることがわかってきています。
現在、明らかになっている原因としては、「免疫の異常」や「細菌やウィルス感染」、「代謝の異常」、「外傷や加齢」、「ストレスなどの心因性」などが挙げられます。「関節リウマチ」に関しては、患者さんの血液検査の結果よって、血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見されて、免疫の異常が原因であると考えられるようになってきました。ちなみに、「リウマチ」の語源は、ギリシア語の「リューマ(流れ)」で、「関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こる」というように定義づけられていたことからきているようです。