歩かなければ歩けなくなる、ということがありますので無理して歩く訓練をすることになるかもしれません。しかし、無理をして歩ければ膝が腫れてしまい水がたまることがあります。この時に無理に陸上での歩行訓練を続けていくと、体重がかかったまま膝を曲げ伸ばしするために、関節に治る力を生む前に、関節が壊れるほうにいってしまいます。
また、痛い関節をかばって歩いてしまうため、関節の曲げ伸ばしのない不自然な歩き方になってしまいます。それに対して、水中でおこなう歩行訓練では水の浮力に支えられますので、寝たきり患者さんでも立って歩くことができます。膝や足首、股関節などの障害で歩けない患者さんであっても、水中では痛みなしに歩くことができます。
痛みなしで、関節を曲げ伸ばしする自然の歩き方ができますので、はじめていたんだ関節に“治る力”が生まれてきます。関節の状態がわるくて歩行訓練が難しい患者さんにはプール療法はとても有効な手段だといえます。プールの水温は、運動量の少ないリウマチ患者さんの場合には35 ℃以上が理想的だといえます。
リウマチについてご紹介します。ほとんどの人が、「リウマチ」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、「お年寄りがかかる神経痛のことかな」というように考える人も多いようで、リウマチという病気は、正しく理解されていないというのが現状です。たしかに、これまで、全身の関節や関節周りの骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気の全ては原因が明らかになっておりませんでした。そのため漠然と、「リウマチ」と呼ばれてきたということがあります。
「リウマチ」は、正しくは、「リウマチ性疾患」という病気で、リウマチ性疾患には、「関節リウマチ」をはじめとして「全身性エリテマトーデス」、「変形性関節症」、「痛風」などのたくさんの病気が含まれています。これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるといった共通の症状はありますが、その病気によって、痛みを起こす原因は色々とあることがわかってきています。
現在、明らかになっている原因としては、「免疫の異常」や「細菌やウィルス感染」、「代謝の異常」、「外傷や加齢」、「ストレスなどの心因性」などが挙げられます。「関節リウマチ」に関しては、患者さんの血液検査の結果よって、血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見されて、免疫の異常が原因であると考えられるようになってきました。ちなみに、「リウマチ」の語源は、ギリシア語の「リューマ(流れ)」で、「関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こる」というように定義づけられていたことからきているようです。