楽な訓練をすれば筋力低下を防ぐことはできますが筋力が増えるところまではいきません。しかし、リウマチ患者さんが病気の活動期に無理をしてしまい筋力増強のためのハードトレーニングをやってしまえば関節をいためてしまうこともあります。そのため焦らないで病気の寛解期までは軽い運動にとどめておきましょう。いたんだ関節にたいして“治る力”を引き出すということは、運動療法のなかでも重要な目標です。
そして、もっともむずかしい課題でもあります。いたんだ組織を修復するということ、それはすなわち“治る力”を引き出すためには、炎症で弱ってしまた軟骨細胞に元気を取り戻してもらわなければなりません。そのためには軟骨細胞に十分な酸素や栄養素を補給してあげなければなりません。関節軟骨は血管もリンパ管もない組織です。そして、その新陳代謝に必要な酸素や栄養素は関節を運動させることにより軟骨細胞に届けられる仕組みになっております。
つまり、関節・骨・筋肉といった運動器は運動しないと駄目になってしまう器官だということなのです。ただし、ここで大切なことは、いたんだ関節に“治る力”を引き出すための必要な関節運動はどのようなものかというと適切な負荷のかかった、痛みを伴わない自然な運動でなければなりません。無理のない程度の散歩などの運動を毎日続けるようにするとよいでしょう。プールを使った水中歩行訓練などもよい運動方法だといえます。
アスピリンは関節リウマチの主な治療薬として長いあいだ使われてきました。アスピリンの使用量が多いと現れる副作用としては耳鳴りがあります。現在ではアスピリンに代わりイブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクというよな非ステロイド性抗炎症薬がよく処方されています。これらの薬はさらに少ない使用量で効果が得られます。
イブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクなどの薬にも副作用はありますが、高用量のアスピリンほどではありません。新しいタイプの非ステロイド性抗炎症薬の1つであるシクロオキシゲナーゼ(COX-2)阻害薬(コキシブ)があります。これは、そのほかの非ステロイド性抗炎症薬と作用は似ています。
しかし、胃の障害を発症するリスクがかなり低い薬剤で、このような薬剤は血小板の機能を阻害しないので出血のリスクがある人にたいしても従来の非ステロイド性抗炎症薬よりもさらに安全に使用することができます。その1例がセレコキシブですがコキシブの1種であるロフェコキシブは、長期使用したあとに心臓発作や脳卒中などのリスクを増加することが明らかになったのです。