関節はわたしたちが考えている以上に大きな力がかかる器官です。たとえば「歩く」という動作を考えてみても、爪先で地面を蹴るときや踵が地面につくときには、片方の膝関節には体重の2倍から3倍の力がかかります。そして早足で歩いたり走ったりする場合には3倍から5倍の力がかかります。人間は年間200万歩程度は歩くといわれます。
しかし、このような大きな外力が短い間隔で衝撃的に繰り返しかかってきたとしても膝関節が壊れない背景には、関節軟骨のクッションとしての働きや関節面をなめらかにするための関節液の働きのほかにも、関節を動かすための多くの筋肉の円滑ですばやい筋運動が衝撃を分散したり吸収をおこなって関節を大きな外力から守っているためだと考えられます。
道を歩いていて何かにつまずいたときなどは瞬間的に脚を踏みかえて姿勢を立て直すといった動作など、反射的に行われる筋運動が関節に対する衝撃を弱めているということなのです。そのため筋力を強化することが関節を守ることにつながっていくということなのです。筋力は骨の強さにも深く関係しています。力をかけたりゆるめたりすることにより骨の構造と機能が正常に保たれています。
リウマチについてご紹介します。ほとんどの人が、「リウマチ」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、「お年寄りがかかる神経痛のことかな」というように考える人も多いようで、リウマチという病気は、正しく理解されていないというのが現状です。たしかに、これまで、全身の関節や関節周りの骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気の全ては原因が明らかになっておりませんでした。そのため漠然と、「リウマチ」と呼ばれてきたということがあります。
「リウマチ」は、正しくは、「リウマチ性疾患」という病気で、リウマチ性疾患には、「関節リウマチ」をはじめとして「全身性エリテマトーデス」、「変形性関節症」、「痛風」などのたくさんの病気が含まれています。これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるといった共通の症状はありますが、その病気によって、痛みを起こす原因は色々とあることがわかってきています。
現在、明らかになっている原因としては、「免疫の異常」や「細菌やウィルス感染」、「代謝の異常」、「外傷や加齢」、「ストレスなどの心因性」などが挙げられます。「関節リウマチ」に関しては、患者さんの血液検査の結果よって、血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見されて、免疫の異常が原因であると考えられるようになってきました。ちなみに、「リウマチ」の語源は、ギリシア語の「リューマ(流れ)」で、「関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こる」というように定義づけられていたことからきているようです。