抗リウマチ薬の開発の歴史を見てみると、はじめの注射金剤は、元々は感染症の治療のために使われていた薬です。そのほかの抗リウマチ薬についても、元もとはマラリアの薬や白血病や悪性腫瘍などの薬で、はじめから関節リウマチをターゲットにして開発されたものはなかったのです。異なる病気の治療薬が、たまたま関節リウマチに効果を表したため使われるようになったということなのです。
最近では、新しい薬として生物学的製剤というものが開発されており、これは、TNFαを中心とした炎症性サイトカインを抑えることを目的として開発された薬で、はじめから関節リウマチの治療薬を作ろうとしてできた薬だという点をみてみれば、これまでの薬とは本質的に異なってきます。日本でも初めての生物学的製剤が認可されたそうです。
これは、抗TNFα抗体製剤といい炎症性サイトカインのTNFαにくっついて中和をするといた薬です。いわば、炎症の元であるTNFαを狙って撃退するということなのです。今までは、日本には九種類の抗リウマチ薬がありました。そのなかで関節破壊を抑える作用が臨床試験をおこなってきちんと証明されているのは三剤だけなのです。しかも、関節破壊の進行を遅らせることはできるのですが、完全にくい止めてしまうことはできなかったそうです。
しかし、抗TNFα抗体療法を二年間行い、X線で骨の状態を調べてみたところ、破壊が全く進行していないばかりか、少し症状がよくなっている方もいたそうです。このように、抗TNFα抗体製剤は骨破壊を強く抑える効果があり、とても頼もしい薬だということで、大いに期待されているそうです。ただ、抗TNFα抗体療法は、感染症を悪くしたり、またはかかりやすくするという副作用があるので、すでに感染症にかかっている人や結核にかかったことのある方の場合には治療をしてからでないと使用することはできないそうです。
アスピリンは関節リウマチの主な治療薬として長いあいだ使われてきました。アスピリンの使用量が多いと現れる副作用としては耳鳴りがあります。現在ではアスピリンに代わりイブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクというよな非ステロイド性抗炎症薬がよく処方されています。これらの薬はさらに少ない使用量で効果が得られます。
イブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクなどの薬にも副作用はありますが、高用量のアスピリンほどではありません。新しいタイプの非ステロイド性抗炎症薬の1つであるシクロオキシゲナーゼ(COX-2)阻害薬(コキシブ)があります。これは、そのほかの非ステロイド性抗炎症薬と作用は似ています。
しかし、胃の障害を発症するリスクがかなり低い薬剤で、このような薬剤は血小板の機能を阻害しないので出血のリスクがある人にたいしても従来の非ステロイド性抗炎症薬よりもさらに安全に使用することができます。その1例がセレコキシブですがコキシブの1種であるロフェコキシブは、長期使用したあとに心臓発作や脳卒中などのリスクを増加することが明らかになったのです。