お子さんから、「骨が痛い」と訴えられたとき、「うちの子は、小児リウマチではないかしら」と心配されるお母さんがいらっしゃいます。その痛みが、なかなかわかってあげられないだけに、子どもの病気や怪我は、親にとって、とても大きな心配ごとだと思います。
まず、痛がっている部分はどこでしょうか。膝が夜間に痛む場合は、「成長痛」であることも多いです。成長痛とは、骨が、まだ成長の途中で、しっかりと固まっておらず、飛び跳ねたりすることで、膝が刺激を受けて、痛みが生じるというものです。「小児リウマチ」である場合、常に痛みが生じており、痛む部分は、膝に限定されず、手や足など、全身の関節に、複数出るということが多いです。
小児リウマチ疾患のうち、最も多いのが、「若年性関節リウマチ」です。16歳までの子どもがかかる関節リウマチを、「若年性関節リウマチ」といい、大人の関節リウマチとは区別されています。「若年性関節リウマチ」は、その症状と経過によって、「全身型」、「多関節炎型」、「少関節炎型」の3つに分類されています。
若年性関節リウマチにおいて、特徴的なのは、大人の関節リウマチに比べて、朝のこわばりが著しいということです。まだ、言葉でうまく症状が伝えられない幼児の場合、目覚めが不機嫌で、床から起きようとしないということもあります。これは首、手、足のこわばりが原因ですが、これは、昼ごろになるととれてきます。
また、発熱もみられます。38度以上の高熱が出ることも多く、上がったり下がったりを繰り返します。また、発熱と同時に、胸、手、大腿部、背中、顔などに、発疹が現れることもあります。高熱と発疹は、「全身型」によくみられる症状です。
若年性関節リウマチは、あらゆる症状を生じることがあるため、大人の関節リウマチとは区別されています。患者が小児である場合は、以下の点について、大人の関節リウマチとは異なります。
●小児に使用できる薬が限られているため、リウマチの活動性を抑えるのが困難になります。
●若年性関節リウマチは、全身性の炎症のため、様々な成長障害が起こります。身長について言えば、リウマチの活動性が続いている期間が長いほど、標準と比べて身長が低くなっています。特に、ステロイドには、身長の伸びを抑える作用があるため、ステロイドを使用すると、低身長の傾向が著しくなります。また、関節運動が行ないづらく、骨の成長に障害を及ぼすことがあります。 このように、小児は、成長の過程にあるため、慢性の病気が起こると、成長に障害がおこる可能性があります。
●小児期では、痛みを伴うリハビリテーションなどには協力してもらえず、運動療法が難しくなります。遊びの中に組み込んで、楽しくできる工夫が必要になります。
この他に、学校生活との両立や、進学・就職といった問題にも向き合っていかなくてはなりません。長い目で見た、治療プログラムに沿た生活設計が必要となります。病気があっても、自分なりに納得して、人生を前向きに生きられるよう、周囲がサポートしていくことが大事です。同じ病気の子どもを持つ親の方々の会(「あすなろ会」があります)に参加して、情報交換するのも、子どもを支える上での、励みになるのではないかと思います。
アスピリンは関節リウマチの主な治療薬として長いあいだ使われてきました。アスピリンの使用量が多いと現れる副作用としては耳鳴りがあります。現在ではアスピリンに代わりイブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクというよな非ステロイド性抗炎症薬がよく処方されています。これらの薬はさらに少ない使用量で効果が得られます。
イブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクなどの薬にも副作用はありますが、高用量のアスピリンほどではありません。新しいタイプの非ステロイド性抗炎症薬の1つであるシクロオキシゲナーゼ(COX-2)阻害薬(コキシブ)があります。これは、そのほかの非ステロイド性抗炎症薬と作用は似ています。
しかし、胃の障害を発症するリスクがかなり低い薬剤で、このような薬剤は血小板の機能を阻害しないので出血のリスクがある人にたいしても従来の非ステロイド性抗炎症薬よりもさらに安全に使用することができます。その1例がセレコキシブですがコキシブの1種であるロフェコキシブは、長期使用したあとに心臓発作や脳卒中などのリスクを増加することが明らかになったのです。