以前は、関節リウマチにかかると、まずはとにかく安静にすべきであると考えられていました。しかし、「痛いから」と言って、全く体を動かさないでいると、関節が動かしにくくなり、徐々に全身の筋肉が衰えていき、最終的には、寝たきりの状態になってしまうおそれもあります。そのため、最近では、関節の可動域をできるだけ保ち、筋力の低下を防ぐための、運動療法が有効であることが認められています。
関節の運動では、やや痛みを感じるところまでは我慢して、曲げ伸ばしすることが必要です。痛くない範囲だけで行なっていると、結局は、関節の可動域を狭めることになってしまいます。毎日、朝夕の2回くらいは、腕や足の関節を動かすようにしてください。ただし、翌日まで疲れが残るような運動は、やり過ぎです。運動後、1時間ほど安静にしていると、痛みが軽くなるという程度が適当でしょう。
骨は、運動による負荷をかけないと、カルシウム分が抜けて、もろくなっていくという性質があります。関節も、動かさずにいると、関節液から軟骨への栄養が行き渡らず、骨の破壊をますます進めてしまうことにもなりかねません。
あまり負荷をかけられない、痛みの強い関節リウマチ患者さんの場合、温水プールなどを利用した運動方法もおすすめです。水中では、浮力が働くため、体重が軽くなり、陸上に比べて、関節への負荷が軽くなります。陸上では、動かせなかった部分も、水中では動かせるようになり、血液の流れもよくなるという効果もあります。水中運動によって、関節の周りの筋力も、少しずつ強化されていきます。
しかし、患者さんの病状によっては、必ずしも水中運動が良い場合ばかりではありません。運動を行なう前に、お医者さんと相談することが必要です。
リウマチについてご紹介します。ほとんどの人が、「リウマチ」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、「お年寄りがかかる神経痛のことかな」というように考える人も多いようで、リウマチという病気は、正しく理解されていないというのが現状です。たしかに、これまで、全身の関節や関節周りの骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気の全ては原因が明らかになっておりませんでした。そのため漠然と、「リウマチ」と呼ばれてきたということがあります。
「リウマチ」は、正しくは、「リウマチ性疾患」という病気で、リウマチ性疾患には、「関節リウマチ」をはじめとして「全身性エリテマトーデス」、「変形性関節症」、「痛風」などのたくさんの病気が含まれています。これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるといった共通の症状はありますが、その病気によって、痛みを起こす原因は色々とあることがわかってきています。
現在、明らかになっている原因としては、「免疫の異常」や「細菌やウィルス感染」、「代謝の異常」、「外傷や加齢」、「ストレスなどの心因性」などが挙げられます。「関節リウマチ」に関しては、患者さんの血液検査の結果よって、血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見されて、免疫の異常が原因であると考えられるようになってきました。ちなみに、「リウマチ」の語源は、ギリシア語の「リューマ(流れ)」で、「関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こる」というように定義づけられていたことからきているようです。