以前は、関節リウマチにかかると、まずはとにかく安静にすべきであると考えられていました。しかし、「痛いから」と言って、全く体を動かさないでいると、関節が動かしにくくなり、徐々に全身の筋肉が衰えていき、最終的には、寝たきりの状態になってしまうおそれもあります。そのため、最近では、関節の可動域をできるだけ保ち、筋力の低下を防ぐための、運動療法が有効であることが認められています。
関節の運動では、やや痛みを感じるところまでは我慢して、曲げ伸ばしすることが必要です。痛くない範囲だけで行なっていると、結局は、関節の可動域を狭めることになってしまいます。毎日、朝夕の2回くらいは、腕や足の関節を動かすようにしてください。ただし、翌日まで疲れが残るような運動は、やり過ぎです。運動後、1時間ほど安静にしていると、痛みが軽くなるという程度が適当でしょう。
骨は、運動による負荷をかけないと、カルシウム分が抜けて、もろくなっていくという性質があります。関節も、動かさずにいると、関節液から軟骨への栄養が行き渡らず、骨の破壊をますます進めてしまうことにもなりかねません。
あまり負荷をかけられない、痛みの強い関節リウマチ患者さんの場合、温水プールなどを利用した運動方法もおすすめです。水中では、浮力が働くため、体重が軽くなり、陸上に比べて、関節への負荷が軽くなります。陸上では、動かせなかった部分も、水中では動かせるようになり、血液の流れもよくなるという効果もあります。水中運動によって、関節の周りの筋力も、少しずつ強化されていきます。
しかし、患者さんの病状によっては、必ずしも水中運動が良い場合ばかりではありません。運動を行なう前に、お医者さんと相談することが必要です。
アスピリンは関節リウマチの主な治療薬として長いあいだ使われてきました。アスピリンの使用量が多いと現れる副作用としては耳鳴りがあります。現在ではアスピリンに代わりイブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクというよな非ステロイド性抗炎症薬がよく処方されています。これらの薬はさらに少ない使用量で効果が得られます。
イブプロフェンやナプロキセン、ジクロフェナクなどの薬にも副作用はありますが、高用量のアスピリンほどではありません。新しいタイプの非ステロイド性抗炎症薬の1つであるシクロオキシゲナーゼ(COX-2)阻害薬(コキシブ)があります。これは、そのほかの非ステロイド性抗炎症薬と作用は似ています。
しかし、胃の障害を発症するリスクがかなり低い薬剤で、このような薬剤は血小板の機能を阻害しないので出血のリスクがある人にたいしても従来の非ステロイド性抗炎症薬よりもさらに安全に使用することができます。その1例がセレコキシブですがコキシブの1種であるロフェコキシブは、長期使用したあとに心臓発作や脳卒中などのリスクを増加することが明らかになったのです。