関節リウマチの治療において、患者さんから強く求められることは、まず、痛みを取り除くということです。そして、関節組織の破壊を、なんとかくい止めるということではないでしょうか。これらを目標とする治療は、非ステロイド性抗炎症薬や、抗リウマチ薬がその中心です。薬によっては、長期にわたって投与した場合の副作用は無視できないことです。
そんな中、レーザー治療は、全身性の副作用がなく(少しだるさを覚える程度)、リウマチの進行を抑制したり、腫れ、こわばり、痛みを軽減する、有効な治療法として、最近、大きな注目を集めています。
関節リウマチ治療に用いられる低出力レーザーは、皮膚に障害を与えない出力以下に、エネルギーが押さえられています。ただし、眼に直接照射すると、網膜に損傷を与える危険性がありますので、注意が必要です。レーザー治療による鎮痛作用は、よく知られています。レーザー治療後に、関節の痛みが軽減されたという報告は、よく聞かれます。
次に、期待される効果として、既に破壊が進んでしまった関節に対する、関節機能の改善、および、機能を維持する効果があります。これは、薬物療法には期待しにくい効果です。
このように、有効な治療法として期待されるレーザー治療ですが、レーザー療法のみで関節リウマチの炎症が、完全に抑制できるというわけではありません。薬物療法によって、免疫異常を改善できれば、関節の変形を、かなり防げることもわかっています。薬物療法、レーザー療法、それぞれの利点を組み合わせて、慢性関節リウマチの症状をコントロールしていく必要があります。
リウマチについてご紹介します。ほとんどの人が、「リウマチ」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、「お年寄りがかかる神経痛のことかな」というように考える人も多いようで、リウマチという病気は、正しく理解されていないというのが現状です。たしかに、これまで、全身の関節や関節周りの骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気の全ては原因が明らかになっておりませんでした。そのため漠然と、「リウマチ」と呼ばれてきたということがあります。
「リウマチ」は、正しくは、「リウマチ性疾患」という病気で、リウマチ性疾患には、「関節リウマチ」をはじめとして「全身性エリテマトーデス」、「変形性関節症」、「痛風」などのたくさんの病気が含まれています。これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるといった共通の症状はありますが、その病気によって、痛みを起こす原因は色々とあることがわかってきています。
現在、明らかになっている原因としては、「免疫の異常」や「細菌やウィルス感染」、「代謝の異常」、「外傷や加齢」、「ストレスなどの心因性」などが挙げられます。「関節リウマチ」に関しては、患者さんの血液検査の結果よって、血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見されて、免疫の異常が原因であると考えられるようになってきました。ちなみに、「リウマチ」の語源は、ギリシア語の「リューマ(流れ)」で、「関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こる」というように定義づけられていたことからきているようです。