鍼灸治療といえば、肩こり、腰痛などが、容易にイメージできるのではないでしょうか。実際に、肩こり、腰痛に加えて、膝の痛み、股関節の痛み、寝違い、ぎっくり腰、全身疲労などで鍼灸治療を受けるという人が、多いようです。
中には、しつこい頭痛、胃の不調、眼の疲れを訴えて通うという人や、生活の質(QOL)の向上のために通う、リウマチ患者さんも多いようです。いるそうです。産婦人科によっては、逆子治療にも、鍼灸治療を取り入れているところもあるそうです。鍼灸は、ずいぶん応用範囲が広いものであると言えそうです。
鍼灸治療を行なうと、その部分に集まってきた血液が、積極的に患部を治しにかかります。それと同時に、脳からは、痛みを抑制する物質が出るようになることで、痛みがやわらいでくる効果が期待できるそうです。関節リウマチなどの痛みで、緊張した患者さんは、次第に、緊張が緩んで、リラックスしてきます。副交感神経が優位になってくるというわけです。副交感神経は、心臓、消化器官、血液循環などが潤滑に機能するよう働きかけるものです。
つまり、鍼灸によって、病気の原因を根絶したり、痛みなどの症状を抑えられるというわけではありません。鍼灸は、患者さんが持っている 「自然治癒力」を引き出すための、ひとつの方法と言えそうです。専門医が、責任を持って行なうことは、それなりに効果があるとは思います。しかし、何がどういった部分に、どのように効くのか、自分で正しく理解して、判断する目を養うということも大切です。
ちなみに、鍼灸と聞くと、「痛い、熱い」というイメージがあるかもしれません。しかし、鍼は髪の毛のように細いので、チクッとした痛みさえ感じない場合が多く、お灸も、現在は、火傷するほど熱くはなく、それでも充分な効果が得られるそうです。
リウマチについてご紹介します。ほとんどの人が、「リウマチ」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、「お年寄りがかかる神経痛のことかな」というように考える人も多いようで、リウマチという病気は、正しく理解されていないというのが現状です。たしかに、これまで、全身の関節や関節周りの骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気の全ては原因が明らかになっておりませんでした。そのため漠然と、「リウマチ」と呼ばれてきたということがあります。
「リウマチ」は、正しくは、「リウマチ性疾患」という病気で、リウマチ性疾患には、「関節リウマチ」をはじめとして「全身性エリテマトーデス」、「変形性関節症」、「痛風」などのたくさんの病気が含まれています。これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるといった共通の症状はありますが、その病気によって、痛みを起こす原因は色々とあることがわかってきています。
現在、明らかになっている原因としては、「免疫の異常」や「細菌やウィルス感染」、「代謝の異常」、「外傷や加齢」、「ストレスなどの心因性」などが挙げられます。「関節リウマチ」に関しては、患者さんの血液検査の結果よって、血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見されて、免疫の異常が原因であると考えられるようになってきました。ちなみに、「リウマチ」の語源は、ギリシア語の「リューマ(流れ)」で、「関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こる」というように定義づけられていたことからきているようです。